カイコは自然の製糸工場

機能 Function

絹糸(シルク)は、カイコが作る。カイコは幼虫からさなぎになるときに自分の体を守るためにマユを作るのだが、そのときにはき出すのが絹糸である。マユは一本の糸をカイコが吐き出し続けることで作られ、その長さは1800メートルに達する場合もある。自然界に存在する単繊維(一本の繊維として存在しているもの)としてはもっとも長いものである。 また、カイコの絹糸は高級な繊維としても有名である。その理由として、 1 タンパク質でできているために、素肌に優しい。やわらかい。軽い。適度な吸湿(水分をすい取る性質)を持つため、着物にしたとき快適 2 絹糸の断面が三角形をしているために、独特の光沢をもち、絹鳴りと言われる心地よいきゅっきゅっという音がする という特徴がある。 最初の合成繊維ナイロンは、この絹糸を人工的に作り出すことを目的として開発されたが、絹糸の優れた性質を再現することはできなかった。現在でも絹糸が持つ優れた特徴のいくつかを持たせた合成繊維は存在しているが、絹糸の高級感にまさる合成繊維はいまだに発明されていないといってよいであろう。

機能分類 Functional Classification

防御・安定:
調湿

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

応用技術 Technical Application

カイコに遺伝子を導入し、安定してその性質を維持させる仕組みが研究されている。 また、絹を糸として使うのではなく医療用の素材として利用したり、建材の接着剤として利用したり、化粧品などに利用したりするために、絹糸をパウダーやゲル、スポンジなどに加工する技術開発が進められている。

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

1 絹糸の替わりにクモの糸を吐いてもらい、強くて丈夫な繊維をつくる 2 糸の替わりに薬を作ってもらう などができるようになれば、カイコの「絹糸を大量に作ることができる」という性質を今以上に有効に活かせるようになる。 色がついていたり、特殊な光を当てると光ったりする絹糸を作れるようになれば、カイコの産業的な利用価値はさらに高まる。 カイコ(養蚕業)が再び産業として成立するようになれば、桑畑の増加による里山の保全・山村の復興(これは韓国で実際にやろうとしているそうです)なども期待できる。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

関連するライフスタイル Related Life Style