ハンマーで殴っても、車でひいても大丈夫!丈夫なアワビの貝殻の秘密

機能 Function

陶器やレンガなど、土を焼き固めて作った材料を「セラミックス」という。身の周りでも食器やタイルやヒーターの発熱体など広く使われているが、宇宙開発やコンピュータなどの先端技術でも欠かせない材料である。軽くて、硬くて、熱にも強いセラミックスであるが、割れやすいのが最大の弱点である。 アワビの貝殻もセラミックスでできているが、落としたくらいでは絶対に割れない。ハンマーでたたいてもなかなか壊れないほどである。アワビの貝殻は、厚さ1ミクロン*以下の薄いセラミックスの板を軟らかい接着剤で貼り合わせた「積層構造」になっていて、厚さ1mmの中に薄い板が1000枚以上重ねられている。貝殻にヒビが入っても軟らかい接着層でヒビが止まり、薄板が1枚1枚少しずつ壊れるのでなかなか割れない。 *1ミクロンは1ミリの1/1000。

機能分類 Functional Classification

効率(省エネ、省資源、軽い):
高強度
防御・安定:
耐外敵

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

B.L. Smith, et al. Nature 399, 761-763 (1999).

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

通常、人間が作る積層材料の中の板は薄くても数十ミクロン程度ですが、最近はアワビと同程度の厚さの板を積み重ねた「ナノ積層材料」を作る方法が様々な技術を応用して試みられている。 また、薄いセラミックスの板を貝と同じようなやり方で作る研究が行われている。従来のように高温で圧力をかけて焼き固めるのではなく、室温、常圧でセラミックスを作る方法として注目されています貝殻の割れにくさの秘密をいろいろなセラミックス材料に取り入れれば、それらをより安心して、壊れる心配なく使えるようになる。また、自動車やロケットに使われている金属材料に取って代わることができれば、機械をより軽くすることもできるようになる。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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