ウジが作る細菌特効薬

機能 Function

ハエの幼虫であるウジは、排泄物や腐敗物を食べて育つ。私たち人間からすれば、ウジは細菌でいっぱいの、不衛生な環境で生きている。でも、不衛生な環境だからといって、ウジは病気になったりしない。なぜか?その秘密は、ウジの体内で分泌される抗菌性タンパク質「ザルコトキシン」にあった。このザルコトキシンは普段はウジの体内に存在せず、ウジが細菌に感染した時に直ちにウジの体内で作られる。カブトムシの幼虫が分泌する「ディフェンシン」と同様に、ウジも自分で作った抗菌タンパク質を分泌し、細菌を殺すことで自分の身を守っていたのである。その殺菌力は非常に強力で、1ミリグラムの1万分の1というごくわずかな量で、細菌類を殺すことができる。短時間で作られ、わずかな量で効き目は絶大。ウジは素晴らしい細菌の特効薬を持っている。

機能分類 Functional Classification

防御・安定:
耐微生物・細菌

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

ザルコトキシンは、微量で強力な殺菌効果を持っているが、動物の培養細胞や健康な植物細胞には何の悪影響も及ぼしません。害を及ぼす細菌だけを選択的に殺しているのである。この性質を利用した、新しい抗生物質や農薬の開発が期待されている。 ウジの幼虫が作り出すタンパク質「ザルコトキシン」の持つ強力な殺菌力を利用して、新しい抗生物質として役立てることができる。私たちが細菌に感染したときに、ザルコトキシンが退治してくれるかもしれない。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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