熱湯の中で生きる生物

機能 Function

私達人間の体は、37度前後の体温を保っていて、そのくらいの温度で一番効率よく働く仕組みになっている。体温が高温になると、私達の体はうまく働かなくなるため生きていくことができない。私達の体をつくる仕組みが熱によって壊れたり働かなくなったりするためである。 しかし地球上には、熱い温泉が湧き出している泉源など、非常に高い温度の場所に住んでいる生き物がいる。その多くは細菌で、なんと80度や100度を越える熱水の中で生きている細菌もいる。 好熱菌、超好熱菌などと呼ばれるこれらの細菌は、とても高い温度の中でもきちんと生命活動を維持していくことができる。熱に強いタンパク質や体の仕組みを持っているために、このような場所でも生きていくことができる。

機能分類 Functional Classification

防御・安定:
耐熱

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

Saiki et al. Science, Jan 29;239(4839):487-91, 1988. Primer-directed enzymatic amplification of DNA with a thermostable DNA polymerase.

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

人工的にDNAを複製するためには、DNAの二本鎖を一本ずつバラバラにするために、94℃以上の高温の状態にする必要がある(PCR法)。1988年、このキャリー・マリスのPCR法に、好熱菌が持つ耐熱性のDNA複製酵素を使うことをシータス社の研究グループが思いついた。 このアイディアによって、人工的にしかも簡単に遺伝子を複製することができるようになり、この研究はサイエンス誌にも掲載された。好熱菌の体の仕組みから熱に強いタンパク質の作り方を学ぶことで、耐熱性のあるワクチンや薬を作ることができる。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

関連するライフスタイル Related Life Style