セクロピアサンは細菌に感染しても平気

機能 Function

アメリカの森には日本のヤママユガの仲間、セクロピアサンという蛾が住んでいる。セクロピアサンは、セクロピンという物質をつくりだす。このセクロピンは、私たちが風邪をひいたときに使う抗生物質と同じ役割を持つ。セクロピアサンは、自分自身で抗生物質をつくっているので、もちろん薬の副作用の心配もない。必要に応じてセクロピンを作り出し、自分の体を病原菌から守る。セクロピアサンは細菌の攻撃を受けると、細菌の細胞膜を破壊し、細菌が体内で増え続けることを防ぐ。細胞膜そのものを破壊するので、何度も抗生物質を使うことで菌が強くなって(耐性を持つと言います)、薬が効きにくくなることもない。さらにセクロピンは、ケガをしたときにも早く治るような働きをもっている。

機能分類 Functional Classification

移動・廃棄・循環:
自己治療
防御・安定:
害虫管理耐外敵耐微生物・細菌

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

医薬品業界では、私たちにとっての新しい種類の抗生物質としての技術開発が期待できる。同じ抗生物質を使い続けると、薬が効かなくなってくる。細菌も、その薬に対して強くなってくるのである。そうすると、私たちは新しい抗生物質を開発しつづけなければならない。セクロピンが人間にとっても、薬として有効であることが期待される。また農業の分野では、セクロピンを合成できる植物を遺伝子操作により開発することで、病害に強い農作物が作れるかもしれない。実際にイネやムギなどの病害の原因となる細菌に対しての、人工的に合成されたセクロピンの効果が研究されている。 現在のカビとり剤は、強い化学物質でできているが、お風呂などの新しい安全な防カビ剤として利用できる可能性もある。私たちの体内に細菌が入ってきたときにも、セクロピンが細菌を効果的に破壊してくれれば、副作用を起こさない薬としても有効である。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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