空気の水を飲むマダニ

機能 Function

ダニはクモに似た生き物で、大きくても1cm、多くは1mmより小さく砂粒くらいの大きさである。ダニにはたくさんの仲間がいる。森など自然の中や人間の家に住んでいる仲間もいるが、小さいので私たちにはあまり見えない。 キララマダニ属の仲間は特別な技を持っている。彼らが住んでいるのは暑い熱帯地方である。私たち人間だと、そんな暑いところでは水をたくさん飲んでいないと死んでしまう。しかしキララマダニ属の仲間は、直接水を飲まなくても空気中に含まれている水分(湿気)を取り、数ヶ月間も生きることができる。その秘密は口から出る特別な液体である。まずマダニは2本の足をアンテナのように使って、湿度の高い、つまり水分がたくさんある空気を探す。そのような空気を見つけると、口から水分を吸収しやすい特別な液体を出す。この液体が空気中の水分を吸収し、マダニはこの液体を再度飲み込むことで、十分な水分をとることができる。マダニが口から出す特別な液体は、吸湿性の食塩水でできている。マダニの口から出されたときに、空気中の湿度が低いと結晶状の物質として乾燥したままになり、空気中の湿度が上がると、その結晶状の物質が溶けて、マダニは再び飲みこむことができる。他にも同じ方法で水分をとるダニ仲間がいて、乾燥した場所に住むダニはより低い湿度の空気からも水分を取ることができる。

機能分類 Functional Classification

資源/エネ/情報の収集・貯蔵:
保水

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

Gaede K, Knulle W , On the mechanism of water vapour sorption from unsaturated atmospheres by ticks, JOURNAL OF EXPERIMENTAL BIOLOGY, 200(10), 1491-1498,1997

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

ダニと同じように水分を吸収できる材料を作れば、湿度が高い時ほどたくさん水分を吸収できる強力な乾燥材ができる。これによって、今までより物が湿りにくくなる。例えば、お菓子などをより長い間保存できるパッケージの開発も期待できる。 また生活空間においては、加湿器を使わなくても、快適な湿度で生活ができるようになるかもしれない。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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