ペンギンの羽毛は天然のダウンジャケット

機能 Function

とても寒い南極の氷の上でオウサマペンギンは暮らしている。抱卵といって、自分の卵を温める時期には120日以上も何も食べずに、寒さに耐えることができる。その秘密はペンギンの羽毛にあった。他の鳥とは違って、ペンギンの羽毛は硬い素材でできていて、1本1本が約3~4cmと短く、それぞれが小さなフックのような形をしている。体の表面に、密集してすき間なく生えている。硬く密集した羽毛は、強い風にも動かない。また、水中に入ると、羽毛の1本1本がフックのように曲がり体の表面は1枚の布のようになる。そして地上へ出るとき、羽毛は元の形にバネのように戻る。さらに、寒いときは羽毛をねかせ、冷たい空気が直接からだに入らないようにする。また、暑いときには羽毛をたたせることで、体の中の空気を逃がす。オウサマペンギンは、自分の体にフィットしたつるつるしたボディスーツのような羽毛を持っている。また尾の付け根には脂を出すところがあり、そこからの分泌物を口ばしで体中に塗る「毛づくろい」によって、水をはじくことができる。

機能分類 Functional Classification

防御・安定:
耐寒温度調節

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

Dawson.et al., Heat Transfer through Penguin Feathers, J. theor. Biol., 199, 291-295, 1999

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

新しい合成繊維の開発である。ペンギンの羽毛のような構造を人工的に再現することができれば、軽くても断熱性があり、耐水性もある新しい素材でできた衣類を開発することができる。 オウサマペンギンの羽毛の構造は、私たちが寒いところに旅行などで行きたいときの衣類として役立つかもしれない。今はウサギやアンゴラなどのフワフワな毛皮のコートや羽毛をたっぷりと含ませたダウンジャケットが定番ですが、もっとコンパクトで運動しやすいような体にぴったりとしたツルツルのペンギンの羽毛のような素材のウエアで、寒さを感じないで旅行を楽しめるようになるかもしれない。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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