いつでも快適なシロアリの巣

機能 Function

サバンナ地帯に住むシロアリは、数十年もの長い年月をかけて、高さ6~7Mの土の巣を作る。サバンナ地域の気温は、昼間50℃、夜は0℃と温度差がとても激しい。こんな厳しい環境の中でも、巣の中の温度は、いつも30℃ぴったりに調節されている。では、どうやって、シロアリは巣の中をいつも同じ温度に保っているのか?いくつかのメカニズムがあるが、その秘密の鍵を握っているものの一つは、巣の材料である土の隙間(団粒構造)にある。土には目には見えないくらいの10億分の数メートルという、小さな隙間がたくさんある。このバクテリアよりも小さな隙間は自動的に湿度をいつも一定に調整する機能を持つ。湿度が高いと湿気を吸い水として隙間に貯め、低いと湿気(ガス)として空気中に放出することで湿気を調節する。また、大量の隙間(空気の層)が熱を遮断する役割をし、湿度の変化を抑えている。

機能分類 Functional Classification

資源/エネ/情報の収集・貯蔵:
保温
防御・安定:
耐熱温度調節調湿断熱

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

石田秀輝、『自然に学ぶ粋なテクノロジー なぜカタツムリの殻は汚れないのか』、 DOJIN選書、(2009)、19-27

応用技術 Technical Application

無電源エアコンは実際に一般家庭で使われはじめている。そして、家の室内の湿度や温度がほぼ一定になることが確認された。エアコンを使わないので、無理することなく二酸化炭素の排出量も減らせる。また素材の中の小さな穴は、空気中のガスや匂いも吸着するので、室内の空気をきれいにすることもできる。

商品・サービス Products and Services

  • 無電源エアコン

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

近年、家庭内の消費電力は増加の一途をたどっており、大きな問題となっている。また、その内訳では、エアコンが最も大きな消費となっている。シロアリの巣が持つ、温度・湿度を一定に保つ機能を持つ仕組みを住宅に応用すれば快適な空気環境をつくる「無電化エアコン」ができる。それは、消費エネルギー削減にも繋がる。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

関連するライフスタイル Related Life Style