風がなくても飛べるアルソミトラの種子

機能 Function

高い木に絡んで成長するつる性の植物アルソミトラ・マクロカルパは、熱帯アジアの島々に生息している。この植物は、私たちの頭がすっぽりと入るヘルメットのような大きな果実を付ける。1つの果実の中に入っている種子の数は、なんと約400コ!この種子を出来るだけ広い範囲に散らばせるために、種子はブーメランのような形をしており、空中を掴んで遠くまで運ばれる。また、ひとつずつ形が完璧に同じではないので、飛び方も微妙に違ってくる。そのため、これらの種子は色々な場所に落ちていき次の世代が広範囲で育っていくのである。マツやカエデの種子は、風を使って回転しながら真下に落下する。しかし、熱帯雨林に生息するアルソミトラは風を待つことはできない。風を使わずに、絡みついた高い木からグライダーのように飛んで、種子を遠くに飛ばす。熱帯雨林にはたくさんの木が密集しているので、風が少ないからである。アルソミトラは木に絡みつき、高いところからグライダーのように飛ぶことでより遠くに種子を飛ばすことを可能とした。また熱帯では上昇気流があるので、それに乗ってさらに遠くまで仲間を広げる仕組みにもなっている。

機能分類 Functional Classification

移動・廃棄・循環:
飛翔
形状・組織・システム:
自然現象の利用

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

Azuma and Okuno (1987). A. Azuma and Y. Okuno, Flight of samara, Alsomitra macrocarpa. J. Theor. Biol. 129 (1987), pp. 263–274. 

応用技術 Technical Application

アルソミトラの種子から作成した飛行機の安全性を高めることができれば、新しい形の航空機として活躍できるかもしれない。また高層オフィスで地震が起きた場合、このアルソミトラの種子型の飛行機で私たちも空を飛んで災害から身を守ることができるかもしれない。教育用の作成キットがあり、アルソミトラの種子の小さな模型を飛ばして遊ぶこともできる。

商品・サービス Products and Services

  • アルソミトラ型グライダー「タウベ(Taube)」 ハングライダー ステルス戦闘機

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

このアルソミトラという植物の種子の形は、空を飛ぶのにとても適している。種子の構造を取り入れ、新しい乗り物として役立てるかもしれない。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

関連するライフスタイル Related Life Style