軽くて頑丈なオニオオハシのクチバシ

機能 Function

南米原産のオニオオハシは、全長の3分の1も占めるくらい大きくて鮮やかな色をしたクチバシが特徴である。こんなに大きいクチバシですが、重さは10円玉3枚分(およそ15グラム)と非常に軽く、鳥の体重のたった20分の1でしかないので、飛ぶ事には全く支障がない。また、軽くても、クチバシは餌をついばんだり身を守ったりするのに十分な堅さを持っている。軽量化と強度という、相反する2つの要素を兼ね備えたオニオオハシのクチバシの秘密はどこにあるのか?  それはクチバシの構造が持つ3つの特徴にある。1つ目は、クチバシの中が中空になっていることで、クチバシ全体鯛が軽量化されていることである。2つ目は、クチバシの外側を形作るシェル層のつくりである。このシェル層は、ケラチンというタンパク質の六角形状の薄板が重なり合ってできている。ちょうど段ボール板を何枚も重ねてサンドイッチ状の構造を作ることで、全体の強度を保っている。3つ目は、シェル層の内側に発泡構造と呼ばれるハニカム構造(蜂の巣のように6角形が並んだ構造)を持っていることである。このハニカム構造は、カルシウムに富んだ非常に堅いケラチンの繊維の支柱が、中空を囲むように6角形を作ることによってできている。これにより、クチバシの密度を下げて重量を軽くすると同時に、強度を保つよう内側から支えている。サンドイッチ構造と発泡構造を上手く使い分けることで、オニオオハシはクチバシの軽量化と強度の維持を実現していた。

機能分類 Functional Classification

効率(省エネ、省資源、軽い):
軽量化高強度

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

軽さと強度を併せ持つ新しい構造を車両へ応用できれば、事故が起きても搭乗者の安全性が高い車を開発できるかも知れない。また、航空機の翼へ応用できれば、燃料の節約に役立つ。 衝突事故から搭乗者を守る自動車のパネルや、超軽量飛行機の翼や機体の構造として役立てることができる。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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