雨の日に飛んでいくキノコ

機能 Function

チャダイゴケは腐敗物の上で生息しているコケである。最近ではガーデニングをしている家庭でも、見つけることができる。雨が降った日が、この植物にとっては大チャンス!雨を上手く利用してキノコの種である胞子を遠くまで運び、子孫を残すのである。その秘密は、「鳥の巣きのこ」と昔から呼ばれているとても変わった形にあります。小さい鳥の巣のような直径4~10mm、深さ6~20mmのカップの中に、いくつかの「卵」が入ったようにみえる。まるで卵の入った小さな鳥の巣のようにみえるかわいいキノコなのである。「卵」のように見える丸い粒は「小皮子」とよばれるとても小さなカプセルで、小皮子の中にはキノコの子孫である胞子がはいっている。雨の日に、「カップ」の部分に水滴が当たると、小皮子に付着している袋のようなものが破れ、この中にコイル状になって入っている「小皮子柄索」と呼ばれるひものようなものがバネのように急激に伸びて、15~20cmほどの長さになる。その力で小皮子は数m飛ばされ、小枝や葉の上に飛び乗って付着し、また新しい命が始まる。この小皮子を飛ばす方法は雨水を効率よく利用している。

機能分類 Functional Classification

資源/エネ/情報の収集・貯蔵:
蓄力
資源/エネ/情報の発信・生産:
噴射
移動・廃棄・循環:
飛翔
形状・組織・システム:
自然現象の利用
効率(省エネ、省資源、軽い):
エネルギーの効率的使用

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

Brodie, H. J., The Bird’s Nest Fungi. University of Toronto Press, Toronto, 1975

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

雨の日に傘をさして歩くとき、意外と雨が傘に当たる強さは大きいものである。このエネルギーをうまく利用しているのがチャダイゴケ。建物の防水加工の新しい手法の開発に期待できる。 私たちの生活においては、水を効率よく利用する新しいアイディアとなるであろう。このカップと中に入れるモノを応用すれば、水が落ちるエネルギーだけで、モノを撒き散らすというシステム作りに役立つ。たとえば、今は洗車に大量の水を使っていますが、洗剤をカップ状にして車のどこかにつけておけば雨の日に自動的に洗剤が車に広がりきれいになるかもしれない。また、カップをもっと大きくすればビルでも雨の汚れを防止できるシステムが開発されるかもしれない。雨が降ったときのエネルギーを電力に変える「雨力発電」ができるかもしれない。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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