自動給水装置を備えたモロクトカゲ

機能 Function

怪獣のような顔と外見をもつこの生き物は、オーストラリアの砂漠地帯に住むモロクトカゲである。特徴は、なんといっても体の表面にたくさんある円錐形のトゲである。まるでゲームのキャラクターのようですね。このトゲは敵からの身を守るためも役立つだけでなく、乾燥地帯で生き抜くためのとても重要な機能を持っているのである。 トゲの表面には、トゲの先端から放射状にとても細い溝が伸びている。この溝は、体の表面の鱗と鱗に走っている幅5-150マイクロメートル(1マイクロメートルは1メートルの1000分の1)の、とても細い溝に繋がっていている。このように全身に張り巡らされた溝は、すべてモロクトカゲの口に繋がっている。トゲに霧が触れて小さな水滴が出来たり、鱗に水がかかったりすると、毛管現象*によって水は細い溝の中を移動して、モロクトカゲの口まで運ばれる。雨が少ない砂漠では、水を手に入れるのはとても難しいことである。モロクトカゲは、体にかかった水を一滴も無駄にすることなく、飲み水として集めることができる凄いトカゲなのである。

機能分類 Functional Classification

資源/エネ/情報の収集・貯蔵:
水回収
防御・安定:
耐外敵

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

自動的に空気中のわずかな水分や天水を集め、飲料水として運搬する装置ができれば、降雨量の少ない乾燥地帯の水不足を解消できるかも知れない。毛管現象は重力に逆らって自然に水が移動する現象なので、高いビルの最上階まで自動で水を運べるようになれば、ポンプを使わないのでエネルギー節約もできます。また、水が蒸発する時に周りの熱を奪って温度を下げるメカニズムを利用して、蒸発冷却用に少しずつ自動的に水を供給するシステムができるかも知れない。火事の際に機能する、水を使った防火壁としても期待ができる。わずかな霧や雨から水を集めて、運搬することに役立てることができる。ポンプを使ってくみ上げたり浄化したりする訳ではないので、エネルギーの節約にもなる。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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