土壌や落ち葉で暮らすダニ達の水補給法

機能 Function

森の土は、落ち葉などを微生物が分解した成分が混ざっているので、たくさんの栄養を含んでいる。そのような土の中には様々な生き物が暮らすことができる。ダニは、土壌や落ち葉の中で生活している節足動物の中で、最も多く、体長も小さい動物である。ダニも土の中に住む節足動物の仲間である。節足動物とは、カブトムシやカニのような、殻と関節をもつ仲間のことをいう。ダニはクモに似ていて、大きくても1cm、多くは1mmより小さく砂粒くらいの大きさである。土の中にいる節足動物のなかでも特に数が多く、また人間の家に住んでいる仲間もいる。呼吸には体の両わきにある眼点という穴を使う。彼らのえさはバクテリア・菌類・小さいダニです。クモ・大きいダニ・ムカデなどに食べられてしまうこともある。 ダニは、水がないところでも、必要なときに自分の周りから水蒸気として水分を吸収できる。水を直接飲まなくても、土壌や落ち葉の中で生き続けることができるのである。その秘密は口から出る特別な液体である。まずダニは2本の足を使って、湿度の高い、つまり水分がたくさんある空気を探す。そのような空気を見つけると、口から水分を吸収しやすい特別な液体を出す。ダニはこの液体を再度飲み込むことで、空気中の水分をとる。

機能分類 Functional Classification

資源/エネ/情報の収集・貯蔵:
水回収

環境ソリューション分類 Environmental Solution Classification

関連文献 Related Literature

Gaede K, Knulle W , On the mechanism of water vapour sorption from unsaturated atmospheres by ticks, JOURNAL OF EXPERIMENTAL BIOLOGY, 200(10), 1491-1498,1997

応用技術 Technical Application

商品・サービス Products and Services

業種 Type of Business

応用技術提案 Proposals of Appilication Technique

空気中から水分を取りだせる材料の開発が考えられる。この材料で作った容器が開発できれば、数時間、容器を開封することで空気から水を取り入れてくれるかもしれない。災害時に備えた非常食には水が必要なものもある。しかし災害時は水が足りなくて、食べることができないかもしれない。このように災害用物品の技術開発に役に立つ。また、水の少ない地域への食料の配達にも役立つであろう。ダニが水蒸気中の水を吸収する方法は、乾燥した地域での住宅に使うことができるかもしれない。湿気のない地域でも、周囲の空気から水を建物内に取り込めるようなシステムが出来れば、室内で加湿器や除湿器を使わなくても湿度を制御することができる。天気に関係なく、快適に過ごすことができるはずである。

応用業種提案 Proposals of Appilication Type of Business

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